噺の話

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落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。

「NHK 新人演芸大賞 -落語部門-」 NHK総合 11月23日

放送を見終わって、意外な接戦だったなぁ、という感想。あくまで、私の評価としてである。

順番とネタ、そして私の採点(100点満点)は次の通り。
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(1)桂しん吉       『鯉盗人』     75点
(2)桂ちょうば      『皿屋敷』     82点
(3)古今亭菊六     『豊竹屋』     87点
(4)三遊亭きん歌   『新・岸柳島』   85点
(5)林家きく麿     『金明竹』      83点
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出演者の生年月日と入門年月を添えて、寸評を書く。

・しん吉(1978年7月26日生まれ。1998年1月、吉朝師匠に入門)
師匠吉朝一門くらいだろう、今このネタを演るのは。思いはよく分かるが、トップバッターの緊張感もあり、肝腎な鯉をさばく場面でも盛り上げ方が不足であった。この人は、まだチャンスがある。よね吉先輩に負けず、精進をして欲しい。

・ちょうば(1978年9月29日生まれ。2001年10月、ざこば師匠に入門)
堀井さんの、ややヨイショかと思われるようなコメントを聞いて、「やはり、上方にとってホーム、東京にとってアウェーなのかなぁ」という思いがあったが、確かに味はある。しかし、この噺でホームグランドでこの程度の笑いでは大賞はありえない。前半で少しもたついた感があったのがもったいなかった。

・菊六(1979年2月23日生まれ。2002年4月、円菊師匠に入門)
まず、四回連続本選出場の今回、六代目円生で有名なこの音曲噺をネタに選んだことで加点。古今亭でもネタにしている人が多いがマクラにした円菊師匠が推薦したのだろうか、あるいは志ん輔のこの噺を聞いて決めたかな。いずれにしても、今後もこの人の十八番の一つになりそうな予感をさせる出来だった。途中でさだまさしを登場させるなどの味付けをしたが、この噺の本筋を活かしながらの昔と今の融合の具合は、この人ならでは、である。
聞き終わって、「少し、差がつくかな」と思わせた。しかし、この後の二人もなかなかだったのだ。

・きん歌(1971年8月31日生まれ。1997年1月、円歌師匠に入門)
師匠譲りの「眼鏡」をかけての高座が、審査員には少しマイナスになったような気がする。オリジナリティという意味では、もっとも高い点をつけることができる。今風でテンポのある新作落語だが、その眼鏡を含む見かけや語り口のせいで世間話のように受け取られたのかと思う。この噺は、もっと磨きようで光る可能性がある。来年は真打、さすが、と私は評価した。

・きく麿(1972年7月16日生まれ。1996年11月、木久蔵師匠に入門)
この噺は、円丈の名古屋弁、小袁治、談笑の東北弁バージョンが有名だが、福岡弁(博多弁?)は、たしかにオリジナル。本来の噺そのものの出来に救われている部分もあるが、なかなかの味わいだった。しかし、大賞をとるには相手が悪かった。あとは、来年の真打昇進以降も、サゲを含めて、「きく麿の金明竹」を磨き上げて欲しい。この人は初めて聞くこともあり、新鮮さもあった。会場の笑いは一番だったように思う。


 私の評価では、菊六は昨年優勝していても不思議ではなかった。
2008年11月24日のブログ

 
 今回の本選出場者の中でもっとも年齢が若く、入門からの年数も短い菊六だが、連続4回目の本選出場でチャレンジングなネタを選び、十分な吟味をし見事に調理して目の前に出してくれたと思う。しかし、来年真打昇進する東京落語界の先輩二人も新作で真っ向勝負したし、その出来も良かった。なかなか見ごたえがあったし、審査結果にも異論はない。一つだけあるとすれば、筧利夫がなぜ審査員だったのか、ということか。なぜ彼だったの、本当に。
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by kogotokoubei | 2009-11-23 14:15 | テレビの落語 | Comments(0)

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by 小言幸兵衛